ソイのソテー サフラン風味の野菜クーリーと山葡萄ソース

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ソイのソテー サフラン風味の野菜クーリーと山葡萄ソース

(ホテルメトロポリタンニューウイング:モンフレーブ狩野美紀雄シェフによる)

材料(4人分)

  • ソイ 240g

<山葡萄ソース>

  • 山葡萄ジュース 200㏄
  • エシャロット 30g
  • ノワイリー酒(白ワイン) 60㏄
  • バター 80g
  • 塩・胡椒

<サフラン風味の野菜クーリー>

  • 玉ねぎ 75g
  • 人参 40g
  • セロリ 25g
  • トマト 60g
  • 白ワイン 25㏄
  • ブイヨン 100㏄
  • サフラン 1g
  • バター
  • 塩・胡椒
  • ミニタピオカ
  • 蕪(季節の野菜) 4カット

作り方

<山葡萄ソース>

  1. エシャロットのみじん切りとノワイリー酒を鍋に入れ、水分がなくなるまで煮詰める。
  2. 山葡萄ジュースを加え、1/4まで、更に煮詰める。
  3. サイコロ状にカットしたバターをホイッパーで混ぜながら、少しづつ加える。
  4. 塩胡椒で、味を整える。

<野菜のクーリー>

  1. 各野菜をスライスする。鍋にバターを入れ、野菜を加え色づかないようにソテーする。
  2. 白ワインを加え煮詰め、トマト、ブイヨン、サフランを加え、煮込む。
  3. ミキサーにかけてピューレ状にして、味を整える。
  4. ソイを60gに切り分け、ソテーする。蕪をバターソテーする。
  5. 戻したミニタピオカを山葡萄ソースに加える。
  6. 皿に蕪を置き、サフラン風味の野菜クーリーを置き、山葡萄ソースを流す。

エネルギー:282kcal たんぱく質:12.1g 脂質:20.0g(ω-3:585mg) 炭水化物:8.7g 塩分:0.9g

紅芯大根box八幡平サーモンのテリーヌ

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紅芯大根box八幡平サーモンのテリーヌ

エネルギー:125kcal  たんぱく質:11.3g 脂質:5.7g 炭水化物:7.3g 塩分:0.5g β-カロテン:464μg 葉酸:109μg

材料:4名分

  • 八幡平サーモン100g
  • 紅芯大根1個:直径12cmくらい(大きめのカブでもよい)
  • ブロッコリー中サイズ1/4個
  • カリフラワー(紫)1/4個
  • カリフラワー(白)1/4個
  • アガー(ゼラチン)20g
  • 塩 少々
  • オリーブオイル少々
  • クレソン12枚
  • イタリアンパセリ3本
  • 赤茎ほうれん草8枚くらい

作り方

  1. 紅芯大根を四角にくりぬいて、中身も一緒に蒸す。
  2. 野菜は水洗いして食べやすくちぎっておく。
  3. サーモンはサイコロ状に切り、軽く炙り塩少々ふる。
  4. 紫カリフラワー、ブロッコリーは湯どおしして南部鉄器で焼く。
  5. 白いカリフラワーを少し長めに茹でる。
  6. カリフラワーの茹で汁少々、白いカリフラワー、蒸した紅芯大根の中身をミキサーにかけて、塩少々で味を調える。
  7. ボールにアガーを入れて、6を加えて攪拌しながら火にかけて溶かす。粗熱をとる。
  8. 蒸した紅芯大根の型に7とサーモン、ブロッコッリー、カリフラワーを詰めて冷やす。
  9. 固まったら切り分けてクレソンなどを飾る。オリーブオイルと塩をふりかける。

山葡萄のポリフェノール

大地の歴史と、まもり育まれた山葡萄DNAのテロワール

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歴史

日本ヤマブドウ(Vitis coignetiae)は、ブドウ科の東アジア種に分類さ れ、日本にのみ生息する固有の果実です。1万年以上前の縄文時代の遺跡から発掘され、また古事記や日本書紀にも記載されて、食用だけでなく薬としても用いられていました。

岩手県の土質は日本でも最古といわれ、特に東側の地域はミネラル成分も豊富で山葡萄の生育に適していると言われています。

かつて豊産なヤマブドウ(以下山葡萄と記す)を掘り取って自宅圃場に定植し、さらに選抜して優秀な山葡萄の生産を行ってきました。商品化され人気が高まると、県内での生産も増加してきました。

山採り由来の系統

  • 発見地域の名前:葛巻系、田野畑在来系など
  • 人、会社の名前:佐幸系、山下系など
  • 岩手県林業技術センターの品種登録:涼実紫系

その後、収量を上げるための交配種が育成され生産が奨励されました。

日本ヤマブドウとジュースやワイン用の西洋種とのF1雑種以外に、朝鮮ヤマブドウ(v.アムレンシス)、エビズル(v.ツンベルギー)サンカクズル(v.フレックスオーサー)などとの交配種もあり、単に「ヤマブドウ」と呼ばれていても、本来の岩手の山に自生していた山葡萄とは異なるものも多く存在します。残念ながら商品表示だけでは本来の山葡萄との区別ができないものも多くみられます。

参考

現在、日本で食べられる一般の葡萄は、一般的なブドウ、主にヨーロッパで栽培されているヴィティス・ビニフェラ(Vitis vinifera)やアメリカで栽培されているヴィティス・ラブラスカ(Vitis labraska)等と異なり、西欧を起源としているもので、甲州種などの一部を除き、殆どが明治の開拓使時代に海外から移入されたものです。

生産量

全国の主な産地と栽培状況(特産果樹生産動向調査H24)

栽培面積(ha) 収穫量(t)
北海道 6.7 34.7
青森県 13.2 9.8
岩手県 106.7 234.5
山形県 34.8 86.3

ヤマブドウの味わい

ヤマブドウジュース平均の味わいを普通の100%ブドウジュースと比較しました。
広い味わいのエリアが山葡萄ジュースの濃厚で滋味深い風味を表しています。

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栄養・機能性

山葡萄は一般のブドウと比較して栄養価・機能性成分ともに豊富な食材です。

岩手県久慈市平成17年~19年の分析値

山葡萄の栄養価 VS 普通ブドウ

ポリフェノール量   8倍
Vit.C          4倍
Vit.E          10倍
鉄            3倍

生産地、山採り選抜山葡萄か、あるいは交配種かによって成分は異なります。
一般に山採り選抜山葡萄は交配種より成分含量が多く、味わいにも反映されます。

好みは様々、その土地に思いを馳せながらじっくり味わってみたいですね。

山葡萄のポリフェノール。

ポリフェノールは山葡萄の色、味に影響し、また健康の維持・増進に役立つ機能性成分でもあります。

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食と健康の情報では様々な呼び名のポリフェノールが飛び交っています。山葡萄に関するものでは、プロアントシアニジン、レスベラトロール、アントシアニン、タンニン、フラバノール(カテキン)などが話題になります。
タンニンは特定の性質(なめし皮の製造などで活用)を示す植物化合物の総称です。いくつかのポリフェノールがタンニンの範疇にありますが、タンニンの作用が、味覚として渋さをひきおこすために、「タンニン」表記は食品業界で頻用されています。赤ワインに関していえば、醸造の過程でこれらのポリフェノールの変化が起こり、風味に影響をあたえます。低分子化して渋みが抜けたり、一方で苦みとなるもの、ほかの成分と反応して「おり」となるものなど様々です。

アントシアニンは果実の色素(紫色)を反映していて、果実の成熟とともに含量を増します。プロアントシアニジンは果皮と種子に含まれていて葡萄の着色が開始になるあたりから増加し、完熟してくると減少してきます。プロアントシアニジンはタンニンですから未熟果実や種は渋みを感じます。

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高分子のポリフェノール類はそのままだと吸収されにくいと言われています。

山葡萄種子に豊富なプロアントシアニジンは分子量が小さく吸収されやすく、さらに醸造や工業的な操作によりプロアントシアニジンはより吸収利用されやすい低重合プロアントシアニジンに変化します。

植物にはフラボノイド類は配糖体(ブドウはマルビン)として存在しています。配糖体から糖が分離されたものが総称アグリコンであり、アントシアニンはアグリコン、アントシアニジンはフラボノイド骨格の名称です。アントシアニンの生理機能には親化合物とその化学的な分解物、さらに腸内細菌により生成する代謝物が関与していると考えられていますが、体内動態は未解明です。

ポリフェノールの機能性研究は日々進んでいます。単一成分の動物実験、あるいは赤ワインの疫学調査(ヒト)による検証では、どの成分がどのように作用しているかは完全に解明されていません。

  • プロアントシアニジン:抗酸化作用、ACE阻害、抗糖化作用、抗アレルギー作用など
  • アントシアニン:抗酸化作用、眼疾病予防、メタボリック症候群予防など
  • レスベラトロール:動物実験レベルでの寿命延長作用
  • 赤ワイン(疫学調査):動脈硬化予防、アルツハイマー予防、など。

ワイン、ブドウ、山葡萄に限らず、多くの植物にポリフェノールは含まれていますから、野菜・果物を毎日コツコツ体内に取り入れる健康法を実践していきましょう。

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雑穀は理想的な穀類

雑穀は加工・精製されすぎた現代の食に対するメッセージフードです。

私たちの身の回りには沢山の食があふれています。その多くが製造工程で、味を画一化し、保存性を向上させるなどの操作を加えた工業用品のような食です。その結果、本来であれば命をつなぐ食が、それを食べ続けることで健康状態に影響する食も指摘されるようになりました。雑穀は脱穀してそのままの、精製度の低い食材です。はるか縄文時代から食されてきた穀類であり、アンチエイジング食に多くの示唆を与えてくれます。

雑穀は全粒穀物(ホールグレイン)

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全粒穀物は、加工度が低い、ほとんど自然のままの穀物をいいます。未精製穀類と表現されることもあります。日常で広く食べられている穀物は、多くが加工され精製されており(精製穀類)、その工程で食物繊維、ビタミン、ミネラル、鉄分、マグネシウム、フィトケミカルの成分が多く失われると言われます。雑穀は白米に比べ全般的にビタミンB群、ミネラルや鉄、食物繊維、たんぱく質が豊富で、GI値は低値です(55程度)。雑穀を白米や玄米に混ぜて炊くことで栄養価や機能性がアップし、また緩い低糖質ダイエットや、動物性食品を控えたい時には、雑穀をアレンジした料理がお勧めです。

低GI食

GIは、Glycemic Index(グリセミック・インデックス)の略で、食後血糖値の上昇度を示す指標です。つまり食品に含まれる糖質の吸収度合いを示し、摂取2時間までに血液中に入る糖質の量を計ったものです。低GI食を選択し、インスリン分泌をなるべく抑えることもアンチエイジング手段です。

  • 食後高血糖は急激なインスリン分泌をもたらし、膵臓のβ細胞にストレスを与えます。長期にわたるとβ細胞が減少しインスリン分泌ができなくなります。
  • インスリンは脂肪合成にも働くので低GI食は肥満予防につながります。
  • インスリンシグナルは老化や寿命にかかわる遺伝子に影響するといわれています。

糖質・脂質・たんぱく質の比率は個々の条件によりますが、脂質とたんぱく質に偏った食事は長期的に動脈硬化のリスクを高めるということもわかってきました。雑穀を利用して穀類の取り方を工夫し、食物繊維その他の栄養密度を高め、低GI食に近づけると良いでしょう。

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(白米を1として各雑穀の栄養成分を比較しました)

雑穀と呼ばれるものはいくつかありますが、代表的な雑穀を紹介します。

  • ひえ
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    アワとともに日本最古の雑穀。ねばりがなくさっぱりとしたプチプチ感が料理のアクセントに。改良型のもちひえは柔らかくねばりがある。
  • あわ
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    鉄、亜鉛、パントテン酸が豊富で栄養バランスに優れている。脂質代謝改善をサポートします。あわ、ひえ、きびはたんぱく質も豊富である。
  • いなきび
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    クリーム色で自然な甘さと程よいとろみをもっている。鉄分が多く黄色はポリフェノールの存在によるものである。髪を作るたんぱく質「ケラチン」の材料となるシスチンを含み、ヨーロッパではミレットエキスとして毛髪治療に使用されている。
  • たかきび
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    弾力があり噛みごたえがあることや粒のサイズなどから、ひき肉の代用として料理に広く応用できる。食物繊維が豊富でポリフェノールを含む。粉はお菓子に使用されている。
  • アマランサス
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    カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、ビタミンンB群などの成分が雑穀の中でも群を抜いて豊富。加熱しやすく調理しやすいが加熱時の独特のにおいが気になる場合がある。

注目の「ムギ」

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(左が大麦、右がハトムギ)

  • 大麦
    水溶性食物繊維が豊富。品種改良されβ-グルカンがさらに豊富な品種が生活習慣病予防に注目されている。麦飯のほか雑炊、スープなどに使用される。
  • ハトムギ
    生薬「ヨクイニン」としても利用され、成分が肌のターンオーバーを促進すると言われている。粒が硬いので加熱に時間がかかる。

雑穀をお料理で楽しむ時はそれぞれの雑穀の特徴を生かすと応用範囲が広がります。

  1. プチプチした食感(すべての雑穀)
  2. 色(キビの黄色、タカキビの赤茶色、黒米の紫色)
  3. ねばり、とろみ(もちひえ、もちあわ、黒米)

雑穀の取り扱い時の注意事項

  1. 産地により味にばらつきがある。
  2. 品質基準があいまい。産地不明や保存状態が悪いものには注意。料理時は良く洗う。目の細かい茶こしを利用すると良い。
  3. もち系の品種はねばりが出る(例:ひえともちひえではねばりが異なる)。
  4. 精製度の程度により、また加熱調理済みかによって調理時間を調整する必要がある。

全粒穀物には食物繊維が豊富

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食物繊維摂取量は減少していますが、主に穀類からの摂取の減少が原因です。
1955年当時は玄米や麦を主食とすることが>多かったことも反映されています。白米が中心でしかも穀類の摂取が低下している現在、いろいろな料理に雑穀を取り入れることで食物繊維の摂取増加につなげたいですね。

食物繊維には水溶性と不溶性があり、穀類によって含有量にかなりの差が見られます。

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水溶性の食物繊維は以下の点から特に重要です。

  • 脂質の吸収を抑える。コレステロールの排泄を促進する。その結果、胆汁酸代謝もよくなる。
  • 糖質の吸収を抑えて食後高血糖を防ぐ。
  • 腸内細菌の餌になり、腸内環境を整える。結果、腸内細菌の生成する物質が腸壁のバリアを強固にする。また酸も生成され殺菌作用を持つ。

不溶性食物繊維

便のかさを増し腸の動きをよくする。
便排泄スピードが速くなるので有害物質を素早く体外へ排泄する。大腸がんリスクを軽減する可能性があると言われている。

免疫バランスを良好に

腸内環境が改善されることで免疫バランスが改善し、アレルギー症状の軽減に役立つと考えられています。ヒエ、アワ、キビ、アマランサスはグルテンを含まないので、アレルギー疾患をかかえている方々が、無農薬栽培雑穀を選択されているようです(ただし品種改良されたもちひえ、もちあわなどはグルテンを含んでいる可能性があります)。

日本で生産される雑穀のすばらしさ

国内で流通している雑穀の9割が輸入品です。農薬などの安全性にかなり問題があり、しかも美味しい雑穀はほとんどみあたりません。残り1割のほとんどが岩手県産ですが、特に岩手県北の中山間地帯では無農薬や肥料などにこだわりを持つ農家さんが美味しく安全性の高い優品を生産しています。

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