私たちの身体は概日リズム(サーカディアンリズム)を持っていて、体内時計によってリズムが伸長、増幅します。体内時計は脳(中枢時計)と全身の臓器(末梢時計)において時計遺伝子が発現し、それぞれが調和しあって働いています。通常、概日リズムは24時間より少し長めなのですが、朝日を浴びる、朝食を摂取することでリセットされます。私たちは1日24時間のリズムで健やかに生活しているのです。
ライフスタイルで体内時計をメンテナンス
1.朝日を浴びる
メラトニンは眠りを導くホルモン。メラトニンの分泌が高まると深部体温が低下し休息に適した状態になります。朝日を目に入れることで体内時計がリセットされ、目覚めてから14~16時間くらい経過すると体内時計からの指令が出て再び分泌されます。加齢とともにメラトニン分泌が低下しますが、これが不眠の原因のひとつです。また24時間社会による生活リズムの乱れ(夜更かし、交代勤務)、夜間の光環境の変化(パソコン、スマートフォンも含む)により体内時計が乱れると、年齢にかかわらずメラトニン分泌が低下します。
メラトニン分泌の振幅は睡眠覚醒リズムに関与するほかに、抗酸化作用、抗疲労、疾病予防にもさまざまな効果があるとされています。
2.食事時間・食事内容
1)朝食による体内時計のリセット
朝食をとることで、末梢時計は1日の活動の始まりの時間とします。炭水化物とタンパク質の同時摂取がリセットのために重要です。朝食を抜くと学習や運動能力のパフォーマンスが低下したり意欲も低下したり、また肥満になりやすい傾向があるようです。
2)食品成分による体内時計への影響
高脂肪食は体内時計を伸長しリズムも減弱させます。一方、カロリー不足や低炭水化物食では体内時計の短縮があるといわれています。
3)食事時刻による代謝への影響
同じ量の食事であっても、摂取時刻によってはエネルギー代謝に与える効果が異なるといわれています。不規則な時間に食事を摂取すると、メタボリック症候群になりやすいと言われています。朝食を抜いて夜食の頻度が高い人が、食事パターンを朝食に比率を多くしただけで、減量に成功できることも良く経験します。
3.まとめ
体内時計は意識しないと自然にみだれますから、普段から規則正しい生活をすることで調節が可能です。特に朝の時間の過ごし方にアンチエイジングの方法が沢山るようです。