令和4年度震災復興支援事業「田野畑村産直マルシェ支援事業」

令和4年度復興支援事業に採択されました。道の駅たのはた生産組合マルシェ支援活動がテーマです。

会に先立ち田野畑村村長よりお言葉をいただきました。1日1000円の収入を2000円にしましょう。高齢化が進む生産者ではありますが、健康で意欲があればまだまだ稼げます。そして生きがいになります。

全国を飛び回り講演や道の駅などで指導を行う中村先生です。自社の畑で200種類の野菜を作り、市場流通なしで販売しています。日本の農業の85%は中山間地域の農家さん。高齢化も進んでいますが、この方々が農業を継続することが地域の活性化に繋がります。日本各地に道の駅・産直がありますが、賑わいはやはり産直の野菜・果物が豊富な場所。魅力ある商品を出荷するためにはどうしたら良いのか、たくさんの示唆を与えてもらいました。

次回は通称きのこ王子から「きのこ」についての講義を予定しています。採取の経験はあっても勘違い、間違いはゼロではありません。毎年キノコによる食中毒はあとを絶えません。出荷者や売り場担当者も知識が必須です。

北三陸テロワールレシピ集

テロワールとは生産環境が食材の風味や品質に影響することを指すフランス語です。「北三陸」といわれる岩手県北部沿岸地域は、特異的な地形や風土があり、北三陸ならではの食を育む場になっています。

 自然がつくり出す食材は栄養・機能性にすぐれており、日々の食事に上手にとりいれることで健康増進が期待できます。地域で活躍する方々が考案したレシピをご紹介いたします。

  • 1.鮭の磯部揚げと里芋しぐれ餡かけ

材料2名分

鮭切り身 2切れ

里芋 中4個

片栗粉 少々

白だし 少々

塩 ひとつまみ

青のり 大さじ1

大根 200g(おろす)

ぎんなん 10粒

カイワレ大根または豆苗少々

作り方

  • 鮭はひと口大に切り、塩を薄くふりかける。青のりをまぶし、片栗粉をつけて油で揚げる。
  • 里芋は皮をむきゆでる。
  • ぎんなんはフライパンで乾煎りし皮をむく。
  • 大根はすりおろして鍋にいれ、煮立ったらアクを取り除き、白だしを加えて味をつけ、水どき片栗粉を回し入れとろみをつける。
  • 器に揚げた鮭と里芋、ぎんなんを盛り付け上から④をかけて、カイワレ大根をトッピングする。

2.しらすとワカメのタカキビ餅ピザ

材料二人分

餅(もち米500g、タカキビ粒500g):必要な分量を使用し、残りは冷凍庫で保存可能。

ピザソース 50g

チーズ 50g

しらす 20g

しいたけ2枚

塩蔵ワカメ 10g

玉ねぎ 6分の1個

パプリカ 半分

  • もち米とタカキビ粒を良く洗ってたっぷりの水に1晩つけておく。水切りをして餅つき器の「蒸す、つくコース」でついてのばし、固くなったらところで一切れ50g~60gに切り分けておく。
  • 塩蔵わかめは水洗いして3㎝くらいに切る。タマネギ、しいたけ、パプリカも薄切りにする。
  • トースターで4個の餅を少し焼いてから、耐熱皿に並べて入れる。上からピザソースを塗り、玉ねぎ、ワカメ、シラス、しいたけ、パプリカをちらし、上にチーズをのせて焼く。少し焦げ目がついてチーズがとろけたら出来上がりです。

レシピ1、2担当

身体が喜ぶ野菜と穀物を生産し料理を作る野菜ソムリエ

小倉政子 久慈市在住

3.ホタテ・雑穀・ほうれん草のパイ

材料3個分

パイ生地(南部小麦ゆきちから150g、バター70g、塩少々):冷凍パイ生地を使用しても良い)

具(いなきみ        1/4カップ、ホタテ中3個、ほうれん草1/4袋、バター・塩コショウ少々)

作り方

  • 生地の材料をフードプロセッサーに入れてポロポロにする。
  • コネ板に打ち粉をして①をのばし、三つ折りにする。さらに角度をかえて三つ折りにする。これを4回くり返す。
  • 2~3mmの厚さにのばして12㎝角の生地を3枚とる。
  • いなきみを洗い100ccの水を入れて炊く。
  • ほうれん草を洗い3㎝の長さに切ってバターで炒め塩コショウ少々をふる。
  • ホタテもバターで炒め、塩コショウ少々をふる。
  • ④の中に⑤を入れて3等分する。
  • ③の上に⑦、⑥をのせて包み、卵をぬり200℃のオーブンで20から25分焼く。

木村晴子

フォレストキッチン主宰

代々続く農家で農薬をほとんど使用しない野菜や雑穀を栽培し、お菓子やお弁当を作り販売しています。

4.ウニごはん・アワビ添え

米2合

蒸ウニ 50g

カットワカメ5g

大葉 5~6枚

アワビ 1個

ウニ味付け用A(砂糖小さじ1/5、めんつゆ小さじ2/3弱、塩ひとつまみ0.3g、水50cc)

炊飯器用B(めんつゆ大2、酒大さじ1弱、塩0.3g、水大さじ2)

作り方

  • 米を洗い30分くらい水に浸しておきます。
  • フライパンにウニとAを入れて汁が少し残るくらに煮詰めます。ウニは飾り用に半分量取り置き、残り半分のウニと汁は炊飯器に入れます。
  • アワビをスライスし小鍋に入れ、塩1つまみと水大さじ2(分量外)を加えて、さっと火を通して汁が出たらアワビを皿にとりあげます。残りの汁は炊飯器に入れます。この炊飯器に洗った米とBを入れて、2合の目線の上まで水が来るようにセットして炊きます。
  • ごはんが炊けたらワカメを入れて混え、アワビ、ウニ、大葉をのせて盛り付けます。

大久保栄子

洋野町の食に関わって20年、種市産直ふれあい広場「おばちゃんの店」で田楽や蕎麦などを出しています。

5.寒じめほうれん草丸パン

材料12個分

強力粉300g

ドライイースト6g

砂糖6g

塩4g

ぬるま湯165g

オリーブオイル12g

寒じめほうれん草1束(茹でてペーストにする)

クルミ90g

作り方

  • 粉類をまぜて、ぬるま湯を入れてまとめ、こねる。
  • まとまったところでオリーブオイルを入れて、さらにまぜこねる。
  • まとまったらボールに入れ、ラップか濡れ布巾をかぶせて、一次発酵させる。(35℃で40~50分くらい)
  • 発酵が終わったら分割してまるめる。
  • 丸めたら2次発酵させる。(40~50分)
  • 180℃に温めたオーブンで13~15分焼く。

高橋里子

おかし工房DAIMASU(ダイマス)店主。身近で生産され、安心できる食材で作るお菓子を販売。お菓子づくり教室は大人気。

6.すき昆布団子のスープ

材料2名分

昆布団子材料(すき昆布1/4枚、豚ひき肉50g、片栗粉大さじ2、味噌小さじ1、みじん切りにしたねぎ大さじ1)

白菜1枚

人参30g

ネギ50g

椎茸1枚

味噌小さじ1

昆布茶小さじ1

コショウ少々

水400cc

作り方

【昆布団子】

  • すき昆布は15分前に水で戻しておく。
  • 戻しておいたすき昆布を細かく切る。
  • ②に豚ひき肉、片栗粉大さじ1、ネギ、塩を入れて、良く練り混ぜ込む。
  • ③の種を形成するため、残りの片栗粉大さじ1を使い、ひと口大6~8個に丸める。

【スープの作り方】

  • 白菜2㎝角のそぎ切り、人参1.5㎝の短冊切り、ネギ斜め切り、椎茸は薄切りにする。
  • 鍋に水400ccを入れ、沸騰したらカットした白菜、人参、椎茸、ネギ、昆布団子を入れて煮る。昆布茶、塩、こしょうで味を調える。

髙屋敷テル子

栄養士として普代村はまゆり子ども園に勤務し、安心・安全な給食を提供。また野菜ソムリエとして普代のすき昆布の普及に努めています。

7.牡蠣のミルクグラタン

◆材料(2人分)

・殻つき牡蠣(特大) 2個
(殻なしでもOK、大きさで個数は調整)

・寒じめほうれん草 1/8束 

・ホワイトソース

  バター 10g

  小麦粉 10g

  牛 乳 200ml

  塩、コショウ 少量

・パン粉(粉チーズでも可) 少量

・トッピング(パセリ、オリーブオイル等)

◆作り方=①牡蠣は殻から外し、殻は器として利用する。(むき身の場合は耐熱皿へ)寒じめほうれん草は茹でて2㎝程に小さく切っておく。

②厚手の鍋を弱火にかけ焦がさないようにバターを溶かす。

③②に小麦粉をいれ全体をさっくりと混ぜ合わせる。※焦げつかないように注意

④③に牛乳を少しずつ入れ、ダマにならないようにゆっくりとなめらかになるまで混ぜ、全体がもったりとしてきたら火を止めて塩コショウで味を整える。

⑤牡蠣にほうれん草をのせ④のホワイトソースをかけて、パン粉をふりかけオーブントースターで5~10分程度焼く。※粉チーズでも可、焼き具合を見ながら調整

⑤焼きあがったらパセリやオリーブオイルをお好みで、更に美味しく召し上がれます。
注)生食用の牡蠣は過熱を少なめにして牡蠣のレア感も楽しんで。加熱用の牡蠣の場合はしっかりと火を通してからお召し上がり下さい。

椀平 苗都美(わんたいら ひとみ)

ワイン&日本酒をこよなく愛する北三陸の野菜ソムリエ
得意な分野はお酒にあう野菜と魚介をあわせたお料理です。

8.純和鶏のから揚げと根菜のサラダ

材料2名分

鶏もも肉 大1枚(200g~300g)

ごぼう 1/2本

レンコン 中2節程度

人参 中1本

スナップえんどう100g

【唐揚げ用たれ】

だし醤油100cc

みりん及び酒 適量

にんにく 半かけ

すりおろししょうが、すりおろし玉ねぎ 小さじ1 すりおろしリンゴ大さじ2

揚げ油、片栗粉 適量

【甘酢調味料】

酢 大さじ4

だししょうゆ、はちみつ 各大さじ2

白いりごま 大さじ1

作り方

  • 鶏肉は3㎝四方程度の食べやすい大きさに切る。
  • ごぼうは皮をこそげ、4㎝程度の長さに切って、さらに縦半分にして1㎝程度の厚さに切り、水で洗い、水気をふく。レンコンは皮をむき、縦半分にして1㎝の厚さに切り、水で洗い水気をふく。ニンジンは皮をむき、8㎜の厚さに丸く切る。
  • ボールに甘酢の調味料を入れてかき混ぜる。
  • フライパンに揚げ油を半分の深さまで入れ、中温に熱する。弱火にして、ゴボウ、ニンジン、を3分ほど揚げる。中火にし、レンコン、スナップエンドウをさっと揚げる。
  • 鶏肉はたれに10分ほど漬けて、片栗粉をさっと薄くまぶし、余分な粉をはたき落とす。中温に熱した油に入れて、ひと混ぜしたら弱めの中火にして3~4分揚げる。
  • ③の甘酢に④の野菜と⑤のから揚げした鶏肉を入れて混ぜ、白いりごまをふって、器に盛りつける。

関口ミエ子

定年退職後に野菜ソムリエを取得。孫に美味しい食をつくってあげるのが一番の幸せ。洋野町のグリーンツーリズムを受け入れています。

9.凍み芋の粉と寒じめほうれん草のニョッキ・早どりワカメを添えて

材料4名分

じゃがいも250g

強力粉 30g

凍み芋の粉 80g

寒じめほうれん草 80g

早どりワカメ 200g

卵 1個

牛乳 180cc

バター 大さじ2

パルミジャーノチーズ  好みの量

  • じゃがいもを蒸して、熱いうちに皮をむき、マッシュする。
  • 寒じめほうれん草は茹でてみじん切りにし、絞って水分を減らす。
  • 1,2と強力粉、凍み芋の粉、卵、塩少々をまぜて練る。生地がまとまってきたら打ち粉をしたまな板の上で棒状にし、包丁でニョキの大きさにカットする。
  • 鍋にお湯を沸かし、塩少々を入れてニョッキを茹でる。浮いてきたらザルにあげる。
  • フライパンを熱してパターと薄力粉を混ぜ、牛乳を何回かにわけて加えソースを作る。
  • ゆで上がったニョッキと、さっと湯通しした早どりワカメを加えてざっくりまぜ合わせ、仕上げにおろしたパルメザンチーズを散らす。

レシピ提供

宮田 恵

医師・野菜ソムリエ上級プロ

北三陸のテロワール食材と生産環境をテーマに活動中。

久慈地区寒じめほうれん草機能性表示届け出が消費者庁に受理

岩手の食材で毎日キュイジーヌマンスールが総力をあげて取り組んでまいりました活動ですが、7月30日づけで届け出が受理されました。

岩手県生命工学研究センター、有)秀吉、JA, 市役所、地方振興局の総意をあげての活動がみのりました。

関連のブログはこちら↓

https://doctor-ls.com/2019/0731/5648

平成30年度NPO等による復興支援事業報告

平成30年度NPO等による復興支援事業報告

「世界でここだけ田野畑ワカの価値創造」というテーマで9か月間活動を行いました。

1.田野畑村で生産されるワカメの特徴(なぜ世界一なのか)を学術的に説明できるように知見を深める。講師を招聘して勉強会を開催。

 

2.養殖の過程を一般にもわかりやすく説明するために動画を作成。フロム岩手に依頼し完成しました。H31年6月開催予定の三陸国際ガストロノミー学会で上映する予定です。

3.わかめ養殖者、住民の方々が田野畑ワカメのすばらしさを再認識するための勉強会の開催。他の産地のワカメとの食べくらべなどを行い、田野畑ワカメがいかに風味が優れているかを体感しました。

田野畑中学校では全校生徒を対象に田野畑ワカメについて、専門家からの講義を開催。

 

 

4.これまで不明瞭であった田野畑ワカメの価格をあげる。このための通販サイトを設ける。

https://www.fsec.jp/products/detail.php?product_id=3831&fbclid=IwAR1WKZqKZAzfribElz_JWDaqvllHkfUwp7TND3gUCW_vuEHZthGoTTSJVM8

パッケージデザインも皆で意見を述べ合い選定する。

 

5.田野畑ワカメの魅力を伝える冊子を作成する。学術、歴史、食文化、健康情報などの内容を掲載している。

地元のワカメ伝統食を漁協女性部の方々と再現し冊子で紹介している。

330日にロレオール田野畑で動画上映会を開催。組合長から今年度のワカメ養殖の現状をお聞きした。

海水温の上昇、潮の流れ、食害などの影響が重なり、収量は大きくダウンしてしまった。これは三陸全体でも同様であり、養殖技術を経験と勘だけに頼らないものとして確立していく必要があると再認識する。昨年度、田野畑ワカメ収獲見学に参加したスローフード会員の方々も、再度この会に参加してくださった。価値の違いの分かる方々からの評価は有難い。養殖者の収量アップ、価値創造、流通の課題を丁寧に解決していく、などを共有した。

 

来年度も活動を継続したいと思っています。

いわて純情野菜ベジフル・ライフセミナー

7月21日クルーズクルーズ銀座にて開催された、いわて純情野菜ベジフル・ライフセミナーにて代表の瘀宮田がミニ講演&トーク担当しました

夏野菜の生産地である岩手県「純情野菜」をPRするイベントです(30周年)。健康志向が高まるなかでの依頼でしたので、タイトルは「食と健康は同源」とし、受けるべき医療はきちんと受け、医療では手薄になる「未病」を食からケアすることの大切さを強調しました。

 

機能性食品の市場は伸びる一方。ひとつの成分に拘りすぎず、様々な植物の成分を毎日コツコツ摂取することの大切さを訴えました。認知症予防、がん予防、アンチエイジングのためには、野菜だけでなく良質のたんぱく質、脂質バランス、未精製穀類、ハーブなども大事です。以前作成したパンフレットを配布しました。

 

機能性表示登録にむけて作成した寒じめほうれん草のパンフレットも配布。

 

コースメニューは岩手県の食材の魅力を十分に引き出したお料理の数々。クルーズクルーズの経営陣の方から食からの未病対策についての取り組みを今後も継続していきたいとお言葉を頂きました。