H30年度事業開始は大阪での青果物の機能性に関わる講義から

H30年度も農水省補助事業を受託いたしました。

「寒じめほうれん草の機能性表示にかかわる取組み:今年度は岩手県八幡平市で実施(久慈市は現在進行形です)」

「青果物の機能性にかかわる知識の普及」「八幡平市の健康増進に関わる活動」

などの課題が提示されています。

 

52日、食育大学大阪校にて「野菜・果物の機能性でアンチエイジング」と題しまして25名の方々に講義させて頂きました。

 

機能性、アンチエイジング、それぞれを説明することも多くの時間を要しますが、今回は野菜果物の機能性、機能性表示を知ることで、ひとつの成分のサプリメントや食品をとる事より青果物丸ごと頂くことのメリットを主にお伝えました。

 

食育大学のテーマが「本物、良い食材」。機能性からの本物・品質の説明もオーバーラップするわけです。若い方々がこうして熱心に受講してくださるのですから心づよいと思いました。

 

温州みかん、大豆もやし、弘前りんご、そして岩手の寒じめほうれん草の機能性表示にかかわる成分の他、まるごと食べることのメリットを説明して講義を終了しました。

 

最後の言葉「高品質の野菜・果物を毎日コツコツ食べることは、長期的には薬よりも大きな効果をもたらす」で締めました。

 

終了後のランチは主催者の手作り。素材、調味料、お料理する方の技術とおこころに本物がありました。

世界で唯一・田野畑村のワカメの価値

国内で流通するワカメは、ほとんどが外国産(中国産)です。また国内で養殖されるワカメはほとんどが購入した種を利用しています。

 

岩手県田野畑村のワカメは天然採種。しかもそのワカメの種類はかなり特異です。環境もすばらしく、外海で、しかも大きな河口からの水流が流れ込まない、理想的なワカメであることは研究者が調査していました。

 

しかし三陸産ワカメとひとくくりで販売されている田野畑村のワカメ。地域の宝物食材としの価値を再認識するために講演会、産地見学を行いました。(以前も何度かこういった試みはあったものの結果を出せていないことが不思議。このことが私を駆り立てました)。

 

田野畑村漁業協同組合長の中村氏から現状を説明していただきました。

 

そして元岩手県主席水産業改良普及員石川先生から講演をいただきました。なぜ田野畑村ワカメが「世界一なのに世界一になっていないのか」。とても興味深く、こういった研究成果が残されているのに・・・。

 

次が岩手大学農学部教授山下先生から「ワカメの香り成分の比較研究」。国産ワカメには海外産には無い「松茸の香り成分を持っている」。国民はただ黒いだけのワカメを食べている。これは驚きです。

 

クロージング・リマークスは岩手大学名誉教授西谷先生より。

 

交流会では羅賀荘のご厚意により、田野畑村伝統食を特別準備。

      

早朝のワカメ加工見学は、筋金入り参加者が集合。茹でる→塩蔵加工。初めて見る光景に全国のスローフードメンバーが感動。

 

 

課題はこれから。生産して業者にワカメを渡すだけなら、植民地と同じ。ここにしかないものを大事にしていくためには地域の行政機関との連携が不可欠です。

野菜ソムリエ向け 健康生活に役立つ青果物の機能性栄養学セミナーを開催しました

2月に入って雪降りがひどい岩手・盛岡です。

去る2月5日6日の両日、東京と大阪に置いて野菜ソムリエの方々向けに「健康生活に役立つ青果物の機能性栄養学~寒じめほうれん草の機能性と食べ比べ~」と題したセミナーを開催いたしました。

野菜ソムリエの方々は、食への関心も高く、また料理教室や講座などを開催しているので、その先の方々までお伝えいただければと思い、開催いたしました。

3部構成で、
1部は「機能性食品とは?」というテーマで岩手県生命工学研究センター部長・岩手大学農学連携大学院・客員教授の矢野明先生より機能性食品に関するお話をしました。

2部は「医療サイドから見た健康生活に役立つ機能性栄養学」と題して、医師でもあり野菜ソムリエ上級PROである宮田恵先生より、医療の視点から食に関するお話をいたしました。

最後は、機能性が高いと言われている「寒じめほうれん草」の食べ比べをしました。

今回は3種類(岩手県が2つ、他県産が1つ)の寒じめほうれん草を用意して、生と茹でた状態で食べ比べしていただきました。

真剣に味わっている受講者の皆様。
評価が東京と大阪で分かれたのが興味深かったです。

講演内容はとても濃く盛りだくさんではありましたが、皆さんとても集中して聞いており、時間もあっという間に過ぎてしまった感じでした。まだまだ聞きなれない「機能性食品」に関する基礎知識から、医療を食から考えたり、実際に味わってみたり。

是非、ここで得た知識をさらに広げていただけると嬉しいです。

2日間開催しての感想は、思った以上に東京でも大阪でも
「寒じめほうれん草」を見ることも買うことも出来ないということを実感しました。野菜ソムリエの皆さんでも、なかなか手にできないということを聞き、多くの人にもっと届けなくちゃと思いました。

寒じめほうれん草の時期も、あとわずかです!

文責:事務局 リサ

いわて農林水産物機能性活用研究会:機能性活用セミナー「野菜の機能とその活用」を開催いたしました

昨年6月に創立された「岩手農林水産物機能性活用研究会」の2回目の会合と、セミナーをCUISINE MINCEURも共催として1月19日に開催されました。参加者は50名ほど。

研究会のこれまでの活動と今後の活動を共有いたしました。

その後、機能性活用セミナー「野菜の機能とその活用」ということで、はじめに岩手県農林水産企画室の照井企画課長より「健康機能に着目した今後の岩手県農林水産業の方向性」のお話をしていただきました。

岩手を含め、北東北は平均寿命も健康寿命も全国に比べると低い状態。そこをなんとかしなくてはいけないということと、「幸せ」と感じられるための政策を今後行っていく方向性を共有いただきました。

また、CUISINE MINCEUR代表の宮田は「美味しさと健康 寒じめほうれん草の魅力」ということで、寒じめほうれん草を中心に、食を通じた健康について医学的観点からもお話をしました。

最後に、太子食品工業株式会社の齋藤様より、「機能性表示食品で大豆もやしの価値を伝える」という題目で、機能性表示食品の登録に至るまでのお話や、大豆食品の可能性についてお話をいただきました。

どれもこれも、興味深いお話で、時間が足りなかったようにも思います。

その後、情報交換会と試食会ということで、寒じめほうれん草の食べ比べや、太子食品さんの商品を食べながら交流いたしました。

岩手ではまだまだ機能性表示食品の認知度は低いかもしれませんが、今回集まっていただいた方々から少しずつ広まっていけばと思います。

生鮮食品3番目の登録を目指している寒じめほうれん草を筆頭に、素晴らしい食材が体にもいいということを多くの人に伝えられるように引き続き取り組んでまいります。

文責:事務局渡邉

寒じめほうれん草のレストランイベントを開催しました。

寒じめほうれん草のレストランイベントを開催しました。

 

開催に先立ちほうれん草農家さんを訪問。

 

良い感じで締まったほうれん草がハウスの中でスクスク。今年は秋の天候不良による生育不良、せっかくの寒さが役に立ち切れていない感じです。

 

 

参加者の皆さんに寒じめほうれん草、赤軸ほうれん草、普通のほうれん草の食べ比べをして頂きました。

 

私の方から、寒じめほうれん草のレクチャーを。品種では無く栽培技術、これは岩手の農業技術の宝物です。健康食材としての価値を説明。ほうれん草のルテインは眼の健康維持に役立つ。現在、機能性表示の取得に向けて準備中です。

 

寒じめほうれん草メニューは盛りだくさんの内容。

参加者に寒じめほうれん草の魅力を伝える事ができました。